カリシュ
「カリシュの法令」として有名な街です。これは中世のヨーロッパで差別、迫害を受けていたユダヤ教徒をポーランド国内でキリスト教徒と同等に扱うことを定めた法律です。カリシュの主な見どころはヴォイチェフ劇場、聖ニコラウス大聖堂、中世の有力都市の面影を残す旧市街広場です。
ⒸNordNordWest, 2008. GDFL1.2, CC-BY-SA-3.0
カリシュ旧市庁舎
旧市庁舎は1426年に70メートルの高さを誇るゴシック様式で建てられていましたが、現在のものは1925年にルネサンス様式で再建築されたものです。©Bartek Wawraszko, 2005, GDFL1.2, CC-BY-SA3.0,2.5,2.0,1.0
カリシュ旧市庁舎 NIGHT!!
ナイトショットがとても素敵だったので掲載しました。
©Bartek Wawraszko, 2005, GDFL1.2, CC-BY-SA3.0,2.5,2.0,1.0
聖ニコラウス大聖堂
聖ニコラウス大聖堂は13世紀に当時の有力者の寄付によってゴシック及び後期ゴシック様式で建設されましたが、16-17世紀にかけて再建された際に主たる通路にルネサンス様式を取り入れています。
©pl, 2004, CC-BY-SA3.0
旧市街広場
13世紀の後半まで中世の町の中心的な存在でした。広場を取り囲むように建てられたテネメントハウス、共同住宅は第一大戦で破壊されたのち再建したものです。市庁舎の展望台からは町のパノラマがよく見えます。
ヴォイチェフ・ボグスワフスキ劇場
1936年にプロスナ川に建てられ、国立劇場の父と呼ばれるヴォイチェフ・ボグスワフスキから名付けられました。ボグスワフスキの劇団が最初に始めたといわれる劇場での常時公演の伝統を引き継ぎ、1961年よりカリシュシアターミーティングとして毎年開催しています。
©LukaszKalisz, 2010, CC-BY-SA3.0
聖ヨゼフ教会
当初木造教会として建てられましたが、1353年にレンガで再建されました。教会には12世紀から伝わるパテン(聖体をパンで表しますが、それを置く銀のお皿)や14世紀にカジミエシュ大王よりいただいた葡萄酒(イエスキリストの血)を注ぐカップ、そのような歴史的に価値のある貴重品が保管されています。
©Bartek Wawraszko 2005, GDFL1.2, CC-BY-SA3.0,2.5,2.0,1.0
聖ヨセフの聖家族の祭壇
©Luizjanka, 2011, CC-BY-SA3.0
©Luizjanka, 2011, CC-BY-SA3.0
身廊の天井画。
©Marek & Ewa Wojciechowscy,2000s, GDFL1.2,CC-BY-SA3.0,2.5,2.0,1.0
カリシュの法令(番外編)①ポーランドのユダヤ人
カリシュの法令は1264年9月8日に発布された憲章です。ユダヤ人がポーランド国内での安全と自由を保障され、信仰、商売、移動に法的に自由を認めるというものです。これによりヨーロッパ内で迫害を受けていたユダヤ人がポーランドに多く移住してきました。
カリシュの法令(番外編)②ポーランドのユダヤ人
1370年代ごろ、ヨーロッパ全土でペストが大流行します。このとき、ユダヤ人に被害が少なかったことから彼らの仕業とされ、ヨーロッパ各地で迫害されます。理由は不明ですが、より衛生的な生活をしていたためと言われています。ポーランドでも感染者数も少なかったようです(地図の緑の地域)。当時ポーランドではロシアからのウォッカを飲料用だけでなく衛生用品としても使用していたため、ウォッカの高いアルコール度数がペスト菌の繁殖を防いだと言われています。そのためポーランドでは迫害されることもなく、ますます多くのユダヤ人が移住しヨーロッパでユダヤ人が最も多く住む国になりました。しかしそのことが、第2次大戦の悲劇につながっていったことはあまりにも悲しい歴史のいたずらです。GDFL1.2, CC-BY-SA3.0