世界遺産:ワルシャワ歴史地区
1980年、ワルシャワ歴史地区はユネスコ世界遺産に登録されました。ワルシャワ市街は第2次大戦で街の大半が瓦礫と化し、戦後に再建された街です。再建されて数十年、その歴史的価値に於いてユネスコに評価されるわけはありません。では、なぜ? それは、中世の美しい姿を保っていた首都を愛する市民と建築家が力を合わせ、石造りの建物の「レンガのひび一本に至るまで」修復した情熱が評価されたからなのです。残っていた昔の写真や絵画、スケッチ、記憶をもとに
「北のパリ」とも称される中世の姿を市民の熱意がよみがえらせたのです。
破壊と再生、この街にはポーランドの人の不屈の精神と愛が感じられます。
見事に復元されたワルシャワは、絶え間なく訪れる観光客で賑わっています。旧市街中心の広場はレストランや土産物屋が多く活気があります。他にも、旧王宮の豪華絢爛の室内装飾、洗礼者ヨハネ大聖堂、キュリー夫人博物館、ショパンの心臓が眠る聖十字架教会、ショパン博物館など、訪れるべき魅力あふれる街です。
ショパンのサロン
ショパンのサロンはチャプスキ・クラシンスキ宮殿のひと部屋のみの小さな博物館ですが、ショパン家のサロンとなっています。この部屋でピアノ協奏曲1番ホ短調作品11、同作品2番へ短調作品番号21が作曲されました。宮殿は第2次大戦で破壊されましたが、1948年から1958年にかけて再建されました。現在はワルシャワ芸術アカデミーとなっています。
ⒸMarcin Białek, 2009, CC-BY-SA3.0
旧市街広場
第2次大戦でほぼ壊滅状態になったこの地区は、ワルシャワの人々によって「ヒビの1本に至るまで」17世紀の街並みを忠実に復元されました。
バルバカン
15~16世紀につくられた赤レンガでできたバロック様式の丸い砦です。ヨーロッパに現存するバルバカンは3つあり、そのうち2つがそれぞれワルシャワとクラクフにあります。
ワルシャワ歴史地区博物館
ワルシャワ歴史博物館は旧市街広場にあり、14世紀からの歴史、ワルシャワ蜂起、ソビエト時代そして「連帯」のワレサ氏が大統領になるまでをわかりやすく展示しています。
王宮(旧王宮)
歴史地区にある王宮は「ワルシャワの歴史」と言われており、現在は博物館になっています。16世紀末、国王ジグムント3世がクラクフからワルシャワに遷都する前から建っており、後に王様の居城となりました。当時は政治や経済、文化の中心でした。
ⒸWistul, 2011, GDFL1.2, CC-BY-SA3.0
洗礼者ヨハネ大聖堂
13世紀から14世紀にかけて建てられたワルシャワで最も古いレンガ造りの教会です。ポーランド王の戴冠式が執り行われました。歴史上2つの大きな過去を背負っています。
キュリー夫人博物館
ワルシャワ生まれのキュリー夫人の生家であり研究所でした。現在は博物館になっており、館内には研究器具やノーベル賞受賞に関する資料が展示されています。
噴水公園
ワルシャワ市水道局の125周年を記念して201年にヴィスワ川沿いに造られました。夏の週末の夜にLEDとレーザー光線を使った音と光の噴水ショーが行われます。